Leica M typ262

Leica M Typ262+Summiter 5cm f2 六角絞り

ズミタールともズミターとも呼ばれることがあるこのレンズですが、要するにズミクロンの前身になったレンズです。

生産年数が非常に長く、1939年から1955年にかけて17万本も生産されたロングセラーレンズ。

人気玉ズマールとズミクロンの間に挟まれた、あまり人気のないレンズです。

私の「Summiter 5cm f2 六角絞り」レンズ

私が購入した「Summiter」は、シリアルを見る限り1950年に製造されたレンズのようです。

1939年の発売から戦後まで製造されたライツのロングセラーレンズ「Summitar」は、前期と後期に大まかに分けられることが多く、レンズのコーティングの有無や絞りが六角絞りかそれ以降に作られた円形絞りかで大別されています。

真鍮製で小型ですがズッシリと重く、沈胴機構と鏡胴の質感は、ライカレンズらしく非常に良く作られています。

同じ沈胴の「Summicron」に比べて人気が低い為、「Summiter」は状態の良いものでもライカのレンズとしては意外と安価に手にすることができます。

M型ライカを手に入れたけど、いきなり高価なレンズを購入するのは躊躇するという方には、今では最も安価なライカの50mm F2.0レンズとなっているかもしれません。

最小絞りはF16、六角絞りタイプです。

絞りリングはクリック感がなくスルスルと動くので、数値を見てザックリと合わせます。70年以上も前のオールドレンズですから、大らかな気持ちで使うのが良いと思います。

沈胴「Summicron」になると絞りにクリック感があり、各数値でカチッと止まってくれて使いやすくなります。どうしても絞りにクリック感を求める人は「Summicron」にした方が良いかもしれませんね!

レンズを購入する時には、無限遠ロックレバーのガタや歪み等が無いかもチェックしましょう。

ちなみに、このレンズはフィルター径が36.5mmと特殊な事に加え、フィルターを取り付けるねじ切りが奥にあるため一般的なフィルターを使うことが出来ません。

L/Mリング

また、「Summitar」はスクリュータイプのLマウントレンズなので、Mマウントのカメラで使うためにはL/Mリングを使う必要があります。

私は「KIPON」製のアダプターを購入しました。

L/Mリングを付けるとこんな感じです。これでM型ライカに使うことが出来ます。

Elmar-M 50mmの記事です⇩

Leica M Typ262に「Summiter 5cm f2」を...

カメラの設定は絞り優先(A)で、撮影していきます。

作例の紹介

では、「Leica M Typ262」で撮影した作例を紹介します。

たいした作例ではありませんが、誰かの参考になれば幸いです。

私は普段あまりモノクロ撮影はしませんが、まず最初にモノクロ撮影で撮った一枚を...

Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2

開放F2.0では寄れば寄るほど背景がオールドレンズにありがちな、グルグルと回り始めて独特なボケになります。

グルグルボケに関しては好き嫌いが分かれると思いますが、少し絞ると自然なボケになり、F5.6〜8あたりまで絞るとキッチリした描写ができる優秀なレンズになります。

Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2

絞り開放F2.0の写りはまさにオールドレンズという印象ですが、ピント面は予想以上にシャープネスが強い印象です。

Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2

ピントを外して玉ボケを作ってみました。

Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2
Leica M Typ262 + Summitar 50mm F2

次の画像は上の画像の中央部分のツタと葉を拡大してみました。

たしかF4まで絞って撮った一枚なのですが、ピント面はしっかり解像しています。さすが「Summicron」のお兄ちゃんですね。

まとめ

「Summiter 50mm F2」は使いこなしが難しいレンズだなって改めて思いました。

私の「Summitar」は、バルナックライカの「Ⅲa」を購入した時にセットで手に入れました。

バルナックライカに使うレンズとしては、やはり「Elmar」が定番ですが、私としては少しでも明るいレンズが欲しくて「Summiter」にしました。

こちらのレンズは、バルナックライカの「Ⅲb」が出た時に一緒に発売されたレンズらしいのですが、やっぱり「Ⅲa」につけるとよく似合います。もちろんデジタルM型ライカでも思った以上に似合いますが...

結局「Summitar」は始めて買うデジタルM型ライカ用のレンズとして個人的にあまりお勧めできるレンズではないかもしれません。しかし、比較的新しい「Summicron」や「Voigtländer」などのレンズに飽きてしまった方やオールドライカレンズ入門の最初の一本としては最適なレンズかもしれません。

このようなオールドレンズに関しては、個体差はもちろんな事、メンテナンスの状況等で写りにも差が出てきますし、販売価格にも大きな差がありますからじっくりと気に入ったものを探されることをお勧めします。購入の際はできるだけ店舗にご自身のカメラを持って行き、ピント等のテストが行えるお店で購入されることをお勧めします。

皆さん、良いレンズに出会えると良いですね!

-Leica M typ262