皆さん、こんにちは。
ちょっと気になるニコンの一眼レフカメラがあるんですけど、古い割には結構値段が高くて購入までには至らない。
安く購入できたら欲しいなーって思いながらオークションサイトを物色していたら、その気になる商品が出品されているではないですか...
その商品とは、2007年11月にニコン初の35mmフルサイズセンサーを搭載して発売したあの名機「Nikon D3」です。
ちなみにオークションサイトで見つけた「D3」は、ジャンク扱いで通電や動作はするが、シャッターを切るとErr表示になってしまうと言う物です。
15,000円以内で落札できれば、購入して直せるか挑戦してみるのも面白そうだなって思い、入札して見ることにしました。
結果は、充電器とバッテリー付きで13,000円ちょっとで落札できたので、思っていたよりは安く購入できたと思いますが、直せなかったらただのゴミ...
「Nikon D3」が欲しかった訳
どうして「D3」が欲しくなったのかと言うと、数か月前に「D2X」を購入して使っていたのですが、やっぱりニコンの一桁機って使ってみると古くてもさすがフラッグシップといった感じで、操作性やボディの作り込みが凄く良いんですよね!
「D2X」を購入した時の記事です⇩
APS-Cの「D2X」が凄く良かったから、やはり35mmフルサイズセンサーの一桁機も使ってみたい、特に私はデーターが軽い低画素機が好みなので、1210万画素の「D3」か1620万画素の「D4」辺りが候補に上がりました。
ですが2012年3月発売の「D4」は、まだまだジャンク品もほとんど無いし、あっても結構いい値段付いてるしって事で、ジャンク品に手を出すなら1万円台で購入できそうな「D3」がリスクも少ないし面白そうって思ったからです。
ジャンクで購入した「D3」の状況
正直、最初はもしかしたら設定やちょっとした接触不良で簡単に直せるかもしれないしって思っていました。
購入した「D3」を色々いじってみると、オートフォーカスやメニュー操作に関しては特に問題なさそうで、シャッターを切るとミラーが「カシャ」ってちゃんと動いた後にErr表示で記録メディアは真っ黒な画像が記録される状態です。
そして、メニューからセンサークリーニングを行うための【クリーニングミラーアップ】が選択できない状況でした。ここまでくると嫌な予感がします~ 涙
これってシャッター壊れていてシャッターが開かないから、CMOSセンサーがシャッターの裏側を映しているので真っ黒な画像が撮れているって事!?
たしか「D3」のシャッター耐久性って30万回レリーズだったので、恐らくそれをオーバーしているか、少なくとも30万回近いレリーズになっている個体という事かもしれないという事ですね。
こうなると、この「D3」を直すにはシャッターユニットを交換するしかないのですが、「D3」はもうメーカー修理を受け付けていないので、シャッターの壊れていない個体をゲットするか、部品でシャッターユニットを手に入れるしか直す方法がありません。
今回購入した「D3」の外装は意外に綺麗な状態なので、ボロボロでも良いからシャッターが生きている「D3」をオークションサイトで探してみるも、動作確認がされている「D3」は軽く3万オーバーでとても安くは購入できそうにありません。
そもそも「Nikon D3」は、中古カメラ店で購入しようとすると、しっかりした個体は今だに安くても5万以上しますし、美品になると8万とか10万位で販売している店舗もありますから、いまだに人気あるみたいですね。
もう修理を諦めようと思っていた時、見つけました!!シャッターユニットを単品販売しているサイトを...
AliExpressで「D3」のシャッターユニットを購入
AliExpress(アリエクスプレス)とは、中国の大企業「アリババ・グループ」が運営する巨大なECサイトです。
上のシャッターユニットがAliExpressで購入した物です。
AliExpressでは「D3」のシャッターユニット以外にも「D700」や「D800」など様々なシャッターユニットやカメラ部品の扱いがあります。
が、販売されている商品すべてが正規品とは限らず、模造品を扱っている業者もあるので注意する必要があるようです。
アマゾンなどのサイトと同様に購入者が購入した商品を評価する手法が導入されており、購入予定者の判断の一助となっています。
でも、私が購入したシャッターユニットは、ニコン純正品なのかパチモンなのかはよく分かりません。見た目や作りは純正品と言った感じですが、壊れたシャッターユニットを複製した物なのか正体不明でしたが、まあ今回は使えれば良いかなって感じです。
もしAliExpressでシャッターユニットを購入される方は、出店している店舗によって全然値段も違いますから、あくまでも自己責任で購入して下さい。
「Nikon D3」のシャッターユニット交換開始
では「Nikon D3」のシャッターユニットを交換してみたいと思います。
実はシャッターユニットを購入する前に「D3」を何度か分解して、どこかに異常がないかチェックしていましたから、シャッターユニットにたどり着く手順は完璧です。
上の画像のように「D3」を分解するときには、グリップラバー部分を全て剥がす必要があります。
グリップラバーを剥がすと、その下からネジが現れて外すことが出来るようになっています。
グリップラバーを剥がしたら、次に、液晶がある背面カバーを外します。
背面カバーを外すと、ファインダーが付いているトップカバーを外すことができます。
続いては、レンズマウントとミラーボックスをまるごとボディ本体から分離します。
ミラーボックスをボディから分離する前に、上記画像の白丸部分の黒と橙色の配線の半田を外しておきます。
簡単に説明しましたが、ここまで分解すると「D3」のシャッターユニットにたどり着くことができます。
ここまでで一番大変な作業は、ラバーグリップを剥がした後にボディ側に残った古い両面テープのベタベタを綺麗に取り除くことかな。非常に面倒でした。
古いシャッターユニットを取り外す前に、AliExpressから届いた新しいシャッターユニットと同じものかどうかを並べて確認して見ます。大丈夫そうですね。
さて、ついに「D3」から多分壊れているであろう古いシャッターユニットを外していきます。
緊張します...
白丸部分のフレキシブルケーブル部の半田を剥がしていく必要があります。
白丸の右側部分に貼ってあるマスキングテープの下には、フレキシブルケーブルがあるのですが、作業中に半田ごてをあててしまいフレキシブルケーブルを障害してしまう恐れがありそうだったので保護する為にマスキングテープを貼っておきました。
「D3」のシャッターユニットからは、2本のフレキシブルケーブルがあるので上記の白丸部分の半田も剝がします。
二か所のフレキシブルケーブルの半田が外れたら、後は3本のビスを外すことでシャッターユニットがボディ本体から外れます。
もう一度、古いシャッターユニット左側と新しい物を比べてみました。問題なさそうです。
シャッターユニットを外すと、当たり前ですがCMOSセンサーが現れます。CMOSセンサーさん、こんにちは!
この「D3」はシャッターが動かない状態でしたから、CMOSセンサーとはこの時点で初対面ですね。傷もなく綺麗です!
新しいシャッターユニットを取り付けて、フレキシブルケーブルの半田付けを慎重に終えたら、バラした時と逆に組んでいけば終了です。
動作確認をきちんと終えたら、グリップラバーを張り付けていきます。
まずは、グリップラバーの古い両面テープをある程度綺麗に取り除いていきます。
その後、両面テープや接着剤を使って綺麗にグリップラバーを貼っていき、完全に終了!
グリップラバーは、いきなり両面テープや接着剤等で張り付けないで、数回試し合わせをして、どの部分から最初に取り付けて行けば、スムーズに貼り付けることが出来るのかを検証してから、両面テープや接着剤等で丁寧に貼り付けていくと良いでしょう。
ラバーとボディの隙間から両面テープや接着剤がはみ出さないように注意しましょうね!
見た目も綺麗な方が使っていて気持ち良いですから...
注意するのは、絶対に瞬間接着剤を使わないこと。お勧めしません。
万が一もう一度分解する場合に、瞬間接着剤では強力に張り付き過ぎて剥がすときにラバーが切れてしまう可能性があるからです。
個人的には、シューグーという靴を修理する時に使う接着剤がお勧めです。
シューグーは、こちら⇩
まとめ
では、シャッターユニットを交換して我が「Nikon D3」がちゃんと復活したのかは?
結果は大成功でしたぁー!
自分でもこんなに上手くいくとは、ちょっと驚きました。
ピント制度や高速連写にライブビュー撮影まで、全く問題なく使用できるようになりました。
もちろん【クリーニングミラーアップ】ボタンもちゃんと選択できるようになって、センサーのクリーニングも行えます。
撮影がきちんとできるようになったので【ショット数.com】でシャッター回数を調べてみると、なんと298,735枚でした。やっぱり、30万回レリーズに近い回数でしたね。
逆をいえばちゃんと30万回付近でシャッター壊れるんですねって感じでもあるし、今のところ我が「D3」に関しては、他の部分はすこぶる調子が良いので、さすがニコンのフラッグシップ機は丈夫ですね。
フラッグシップ機「D3」を分解して感じたことは、各パーツごとにモジュール化されていて、組み換えを容易にする規格化された構成であり、さすがプロが使うカメラだなって感じ。メンテナンス性が非常に優れているなって思いました。
もし、AliExpressで購入したシャッターユニットがニコン純正品の新品ならトータル60万回レリーズも目指せるのかな?
いや、さすがにその前に他の部分を壊れてしまうのかな...
ちなみに、今回オークションサイトで購入した「D3」のボディ本体と新しいシャッターユニットの合計金額で、28,000円位の出費でした。
「Nikon D3」の購入金額としては、非常に安く済んだと思います。
せっかくなので自宅で「D3」と「TAMRON SP35mm」のレンズで撮った画像も数枚載せておきます。
話はズレますが、この「TAMRON」のレンズは広角単焦点で手ブレ付きの為、古い一眼レフには個人的に非常にお勧めなレンズです。
Leicaのカメラを入れたくて最近買った「DOMKE」のバックを撮ってみました。
我が家の愛犬は、いつも被写体として大活躍です。
一応、モノクロも...
設定は、もう少し煮詰める必要がありそうですね。
素人修理ではありますが、シャッターユニット交換が終了した「Nikon D3」を使っての感想は、この辺りの時代からニコンのデジタル一眼レフカメラの完成度が飛躍したことです。
私のニコンのカメラ使用歴から感じた私感ですが「D200」や「D2X」は、趣味的カメラや作品を作る物としては非常に面白いのですが、ブログやオークションサイト等に使う画像としては、ちょっと未熟であると思っています。
という事で、安くて普段使いにも使いやすいし、性能もそこそこって思うニコンのデジカメ一眼レフカメラで予算3万位なら、APS-Cでは「D7000」か「D300」。35mmフルサイズなら「D700」、予算が4~6万位なら「D610」か「D800」。フラッグシップ機なら「D3」と言った感じです。
今や世はミラーレス時代に入り、一眼レフカメラがどんどん買いやすい値段になってきてるので、今が狙い目かもしれませんよ!
フルサイズ一眼レフにしては軽量な、D610⇩