皆さん、こんにちは。
この記事は、ニコンのオールドレンズの話です。
フルサイズ対応のF値が小さい明るいレンズって高くて重いイメージがあると思いますが、安くて軽い物もあるんです。
それが、ニコンのレンズ「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型です。
このレンズはニコンのFマウントで、確か1976年頃の発売ですからオートフォーカスも、もちろん手ぶれ補正(VR)もついていません。
この頃のニコンレンズは「オールドニッコール」とも呼ばれていて、現在は各社のミラーレスカメラにマウントアダプターを返して手軽に使えるようになりました。
こんなことから一部の「オールドニッコールレンズ」は値段が高騰してしまっているようですが、今回私が紹介する「New NIKKOR 50mm F1.4」は、数千円で購入できる非常にコストパフォーマンスの良く「F1.4」と明るいレンズであると私は思っています。
「NIKKOR 50mm F1.4」の種類
初代の「NIKKOR 50mm F1.4」は1962年に発売が始まり、モデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返して、つい数年前まで生産され続けた非常に息の長いレンズ。
おかげでこのレンズには多くの種類があり、大きく分けて9種類。細かいマイナーチェンジも含めると15種類以上にもなってしまうようですね!
そして、私が今使っている物は、大きく分けた9種類から言うと7代目にあたる「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型になります。
「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型の特徴
なぜ私が9種類もある中から7代目にあたる「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型を選んだのかと言うと、7代目は大きくフルモデルチェンジが行われ、6代目までよりも小型化し約50gの軽量化で質量が260gになった事と、最短撮影距離が45cmである事が決め手になりました。
しかも「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型は非Aiであるため、ニコンのほとんどのデジタル一眼レフカメラには基本的に使用する事ができないので、値段が非常に安く売られている事が多く、お買い得なレンズなのです。(※非Aiレンズも一部使えるデジタル一眼レフもあります)
非Aiレンズを自分でAi化
「NIKKOR 50mm F1.4」も1977年にAi化されて「Ai NIKKOR 50mm F1.4」へと変更された後、更に1981年にAi-s化されて最終モデルの「Ai NIKKOR 50mm F1.4s」になりました。
上記「AiとAi-s」の二種類を購入すれば、ニコンのデジタル一眼レフカメラでも問題なく使うことができますが、入門機や一部中級機に関してはマニュアルモードのみの使用でカメラ内露出計が作動しませんから、購入の際は自分が使っているカメラが対応しているかを良く調べてくださいね。
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では、非Aiレンズ「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型をAi改造していきたいと思います。
改造内容を簡単に説明すると、マウントを外すとレンズから絞りリングを外すことができるので、その外した絞りリングの一部をヤスリで削るだけです。
簡単でしょ!
上の画像はすでにマウントを外し、絞りリングの一部を削り終わって組み立てる前の状態です。
ちょっと画像では分かりにくいですが、絞りリングのシルバーになっている部分が削った所です。
削る位置や幅は、ネットで調べると詳しく書いている方のブログ等が見つけられると思いますので、調べてみてください。
レンズのF値によって、削る場所が異なりますので注意が必要です。
作業を終えて組み立てなおしたレンズです。
カニ爪部分も一部削る必要がありますが、絞りリング同様アルミでできているので、想像よりは簡単にヤスリで削ることができました。
画像のカメラは「Nikon D2X」です。
赤丸部分が露出計連動レバーで、この部分にレンズ側の露出計連動ガイドと言われる場所が露出計連動レバーに引っかかるようになっていて、レンズの絞りを機械的・物理的に伝えるようになっています。
Ai改造後にレンズを無事に「D2X」に装着できました。
露出計連動レバーに、今回私が削った部分の「なんちゃって露出計連動ガイド」がきちんと露出計連動レバーに引っかかっています。
「D2X」のレンズ情報設定
露出計連動レバーが付いている機種なら、撮影メニューからレンズ情報手動設定という項目があるので、そこに焦点距離と開放絞り値を入力します。
レンズ情報設定をきちんと終えると「マニュアル」「絞り優先オート」の2種類の露出モードで、焦点距離や設定した絞り値等がExifデータに書き込まれます。
上画像左は開放F1.4と右側は絞り値F16で、レンズの絞りリングを回すとF値の表示もちゃんと変化しています。
Ai改造は無事に成功したようです。
「New NIKKOR 50mm F1.4」+「D2X」の作例
作例のボディには最近購入した「D2X」を使いました。
ちょっと残念なのが「D2X」はAPS-Cセンサーなので、50mmのレンズを使うと35mm換算で中望遠75mm相当の焦点距離になってしまいますが、今私はニコンのフルサイズ機を所有していないのです...涙
作例は全て「D2X」のJPEG撮って出し!
最初の4枚は、私が所有しているバルナックライカⅢaを被写体にして、最短撮影距離でF値を変化させていきながら撮りました。
画像の下にF値やISO感度のデーターを載せておきます。
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F1.4 ISO800
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F2.0 ISO800
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F2.8 ISO800
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F4.0 ISO800
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F1.4 ISO800
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F1.4 ISO500
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F2.0 ISO100
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F2.8 ISO100
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F2.0 ISO640
New NIKKOR 50mm F1.4+D2X F値 可愛い ISO 可愛い なんちゃって...我が家の愛犬です。
まとめ
「New NIKKOR 50mm F1.4」後期型どうでしょうか?
今回は、ニコンの非Aiを自分でAi改造してみようって記事ですが、「New NIKKOR 50mm F1.4」はマウントアダプターを使ってミラーレス一眼に使う分には、非Aiでも関係ありませんから、ちょっとオールドニコールを試してみたい方にもおすすめできるレンズですよ。
私が「D2X」で使ってみた感想は、古いレンズですから開放F1.4~2.0ではオールドレンズらしい柔らかい写りをしますね。
作例にも暗い場所で撮った画像を何枚か載せましたが、F1.4だと「D2X」のような古いデジカメの未熟なISO感度でも、ISO500~800程で抑えられて手持ち撮影が何とか出来るようになるので、改めて明るいレンズは神だって思っちゃいました。
このレンズに興味を持った方は、焦らずにじっくり気に入ったものを探してみてくださいね。
古いレンズですからカビや曇りが発生している物もありますし、一本一本状態が異なりますから予算を決めて探すのが良いと思います。
私が購入したレンズも、たまたま通りがかった銀座のカメラ屋さんのショーケースに3,500円位で並んでいた物を購入しました。
ちょっとヘリコイドの動作にムラがありますが、光学の状況は悪くなかったので購入してみました。今度はヘリコイドのグリス交換も自分でしてみようと思います。